
花を通して空間をつくる
生け花教室が子育て中の活力
「これまで、インテリアデザイナーが天職だと思ってきました。今はそれを上回るほど、生け花を楽しくやりがいのあることと感じています」
結婚を機に東京から刈谷へ。出産するまでは、インテリアデザイナーとして仕事に全力を注いできました。


初めての子育て。周りに友達がいないため、子育て支援センターへ通うようになりました。そこで知り合ったママ友に教室に誘われ、美央さんは生け花と出合いました。
生け花教室は、敷居が高いと思っていましたが、当時1歳だった子供を連れて通えること、月謝も良心的でした。
「お小遣いの範囲で通える。技術も身に付くし、子どもを連れて支援センター以外で友達と会える」。教室へ通う楽しみが、美央さんの活力と支えになっていました。
突然の講師へのお誘い
「生け花の技術も増えて、楽しいしかない!」と感じていました。しかし、子どもに自我が芽生え始め、「『お花に行きたくない』と言われることが辛かったです」と苦笑い。子どもの気持ちに寄り添いながらも、美央さんは生け花を続けました。


生け花を始めて6年目。教室の先生に「あなた講師になりなさい」と言われました。「突然のお誘いでしたが、ためらいはありませんでした」。
下の子どもが幼稚園に通い始め、自分の時間が持てたこと、これまで打ち込んできた生け花で「何か一つの成果になることをしたい」という強い気持ちが後押ししました。講師になることが、お世話になった先生への恩返しでもありました。
生徒の存在が自信に
講師の資格を取得した美央さんに、ママ友たちは「教室に通いたい」とリクエスト。「教室を持つからには、理想の先生に近付きたい」と、生け花以外の習い事を始めます。着付けや書道、茶道、マナーなど、多方面での学びを積極的に取り入れ、日本の伝統文化もお生徒さんたちに伝えたいと考えたのです。


「振り返ると、最初は自信がなくて、たくさんの習い事に通っていたと思います。でも、教室に通い続けてくれるお生徒さん達の存在が私の自信になりました」
共に学んで成長し、共に喜びを分かち合うことが、美央さんには何よりも嬉しいことなのだそうです。
花を通して空間をつくる
「80歳のおばあちゃんになっても続けられる」と、今では生け花がライフワークに。インテリアデザイナーとして培った過去も生きています。「インテリアと同じように、花も空間をつくり出す大きな要素。花が空間を変え、景色を変える。今は“花を通して空間をつくる”人になりたいと思っています」


講師としても日々、生け花の道に繋がることを一つ一つ積み重ねて探求することを目標に掲げます。「みんなで楽しく、お稽古を続けていきたいですね」と、朗らかな笑みを浮かべます。
