今だからこそ描ける絵

漫画とイラストに夢中だった幼少期

柴田なつきさんは子育て真っ最中ながら、長年の夢へ一歩を踏み出した駆け出しのイラストレーターです。

「描きたいけど描けなかったあの頃」から、再び夢を追い始めるまで。それは、なつきさんが自分の気持ちに正直になれるまでの勇気の物語でした。

「子どもの頃、名古屋に行って買うものといえばコピック! プロも使う色塗り用のペンです」と、笑いながら話すなつきさん。

幼稚園の頃からお絵かきが好きで、漫画雑誌「りぼん」をきっかけに、人物を描く楽しさに夢中になりました。

中学生になると、漫画やアニメのキャラクターを毎日描き、同じ趣味の友だちとイラストを交換し合うのが日課。

憧れの画材であるコピックは、家族からの誕生日プレゼントやお小遣いで少しずつそろえ、絵を描くことはなつきさんの生活の一部となっていました。

「オタクはダメ」と思い、絵を封印した高校時代

ところが高校に入学すると状況が変わります。

「漫画のキャラを描いているのはオタク」と言われることに敏感になり、自分の“好き”を隠すようになってしまいました。

「油絵はすごいと言われるのに、アニメのキャラはダサイと言われて悔しかった」

そう感じながらも、周囲の目を気にして絵を描くことを自らやめ、約10年間ペンを握らない日々が続きました。

“好き”を再び思い出させてくれた結婚と出会い

今の夫と結婚を意識した時、一緒に生活する中で描くことを我慢できないと思い「実はアニメキャラのイラストが好き」とカミングアウト。

将来の夫が「好きに描けばいいんじゃない」と理解を示してくれたことで、描くことへの扉が再び開かれました。
その後、結婚を機に仕事を辞め、夫の仕事の都合で刈谷市へ転居。

知り合いの少ない土地で自分と向き合う時間が増え、「大好きな絵。せっかくなら、一度は仕事にしてみたい」と強く思うようになりました。

「今しかない」と食らいついたチャンス

 そんなある日、目に留まったのがイラストレーター・中村佑介さんの作品です。

キャラクターでありながら洗練された作風に、「こんなにおしゃれなキャラクターイラストがあるんだ!私も、もう一度描いてみたい」と、再びイラストを描く決意をします。
 そして、またとないチャンスが訪れました。中村さんが自身の展覧会で希望者の絵を講評するというのです。「今しかない」と、思い切って応募。緊張しつつも、直接講評を受けました。

結果は、「もう、ボロクソでした! でも、言われたところを直せば良くなるってことですよね」。なつきさんは諦めずに試行錯誤を重ねました。

そして約2カ月後、再び中村さんに見てもらうチャンスが。

「『やればできるじゃん』って言ってもらえました。その一言は今も自信につながっています」

生活の中で絵と向き合う日々へ

その後、夫の海外転勤、出産、育児と慌ただしい生活の中で、イラストを描くのは簡単ではありませんでした。それでも、子どもと一緒に絵を描くうちに「やっぱり楽しい」と感じることが増えていきます。

子どもが一時保育に行くようになって自分の時間ができたとき、自然と手が動いて絵が生まれていると感じたそう。その感覚に改めて「私は今、描きたくて爆発している」と気付かされました。

「絵を仕事として続けていくためにはどうしたらいいか」

なつきさんは起業セミナーに参加し、イラストレーターとして仕事をする方法を学び、できることを一つずつ行動に移していきました。

以前は、描いたイラストや自分の意見に対して「恥ずかしい」と思ってしまうことが多かったなつきさん。

今では、「出してみなくっちゃ、これが恥ずかしいものかどうかも分からない!」と、チャレンジ精神を大切にしています。

今、描けていないあなたへ

 作風には、なつきさんの雰囲気に合った繊細さとやさしさがにじんでいます。

今は知人からイラストの仕事を受けつつ、今後はイベント出店やオリジナルグッズの制作・販売など、表現の場をさらに広げていきたいと語ります。

「描かないと決めたあの頃も、自分にとって必要な時間だったと思える。描きたい気持ちを持っている人がいたら、いつでも戻ってきていいんだよって伝えたい」

年齢やブランクに関係なく、自分の“好き”に正直に生きること。

イラストに込めたなつきさんの思いが、誰かの背中をそっと押す日も近いのかもしれません。

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